面会交流の履行勧告が届きました。どう対応したらいいでしょうか?

面会交流の履行勧告とは?

履行勧告とは、面会交流の調停が成立していることを前提とした、面会交流を実現するための方法です。家庭裁判所で取り決めした面会交流の取り決めを守らなかった時に、それを守らせるために行われます。

義務者(親権者など、子どもを非監護親に会わせるべき側)が取決めを守らないときには、家庭裁判所に対して履行勧告の申出をすると、家庭裁判所では取決めを守るように説得したり、勧告したりします。

面会交流の実施を求める親が、調停が行われた裁判所に対して申請することで、手続が始まります。 家庭裁判所調査官が面会交流の実施状況を調べるなどして、実際に勧告するかどうかを判断することとなります。

面会交流の履行勧告が届いたら?

履行勧告には面会交流を合意したものの、1度も実施されていないという場合などが多いのですが、離婚の際に面会交流の詳細な取り決めをしていない場合に起きやすいトラブルです。

頻度・時間・場所・面会時にかかる料金の負担など、改めて取り決めが必要な場合には、その旨を回答し、改めて面会交流の条件を決めるための調停をするか、民間のADRなどを利用して条件を取り決めることが必要になります。

別れた夫婦が2人で話し合えるのであれば問題はありませんが、それが不可能だと思われて履行勧告をされているのだと思いますので、第三者を仲介した話し合いを選択されるのが良いでしょう。

家庭裁判所で取り決めを行ったが、予定通りに実施できない理由は上記の他にも様々だと思います。

面会交流の履行勧告を申し立てられた場合、なぜ実施できないのか、具体的な事情を裁判所に対して速やかに回答する必要があります。

「子どもの体調が悪くて実施できない旨を連絡したが、相手は信じてくれない」というような場合などもあります。

このような場合には医師の診断書を提出しましょう。

子どもが拒否しているために実施できないような場合は、一度決めたルールであっても、変更することが可能です。家庭裁判所の面会交流調停の中で調整していくことになるでしょう。再調停をすることをお勧めします。

面会交流の履行勧告の強制力

履行勧告は、裁判所からの注意でしがありません。このため、履行勧告に反して面会交流を拒絶し続けたとしても、罰金等や制裁はありません。

そうはいっても、履行勧告が実施されたという事実が裁判所の記録に残ります。履行勧告を拒絶したために、次なる手段である間接強制の手続に移行したという場合には、家庭裁判所からは「履行勧告に従っていない親権者」と把握されることになります。

裁判所の印象が悪くなるという部分ではデメリットになります。

だから履行勧告されたら放っておくのではなく、誠実に回答対応しましょう。