離婚後のおやこ交流で親がしてはいけないこと
離婚後に養育費やおやこ交流を通して子どもに責任を果たしている親というのが、全国ひとり親家庭調査(厚生労働省調査)によると3割程度です。
私たちが支援をお引き受けするケースは、DVやモラハラなどが離婚理由にあり高葛藤ケースが多いので、どうしても問題はつきものですが、考え方によっては離婚後にちゃんと子どもに責任を果たそうと考えている立派なご両親だと言えます。
お子さんとの定期的なおやこ交流を約束するために、私たちのような支援を利用することになりますが、支援を通して子どもの成長とともに考えてほしいことがいくつかあります。
離婚前に気を付けてほしいこと
親の離婚の葛藤を見ることになるのは子どもにとってはとても辛いことです。
たまに裁判などで親に会いたくないという気持ちを手紙に書かされたりする子がいますが、自分が自分の実の親を拒否してしまったという事実が思い出に残ることが本当にいいことなのでしょうか?
子どもは親の離婚による紛争原因が自分が関係する「面会交流」についてだとすると、会えない親に対して「会いたくない」と口にする子もいます。
その本心がどこにあるのか?と冷静に考えてほしいと思います。
また、調停中や裁判中にお子さんのことが心配で保育園や小学校に様子を見に行って子どもにいやな顔をされたとか、それが原因で同居親に接近禁止を言われたなどという話も聞くことがあります。
子どもは周りの友達に親の離婚の事情を知られたくありません。
離れている親に会いたい気持ちはあっても、突然に現れたら戸惑うのは当然です。
会いたくて心配な気持ちはわかりますが、紛争中は謹むのが良いでしょう。
離婚を前にして相手の悪口を子どもに伝えるのは絶対にやめましょう。
子どもにとっては両親が自分のルーツです。
悪口を聞くと自分も否定された気持ちになります。
理想的なのは調停や裁判中であっても、その葛藤を子どもに感じさせずに面会交流を定期的に行うことです。
何らかの理由で子ども自身が面会交流を拒否する場合には、面会交流調停で家庭裁判所に調査官調査を求めることをおすすめします。
児童心理学にたけた調査官がお子さんの面談をしてくれて、今後の面会交流についての進め方についてアドバイスしてくれると思います。
面会中に気を付けてほしいこと
定期的な面会交流がスタートしてからも気を付けてほしいことがいくつかあります。
面会の前後でお子さんと面会交流の話題になると思いますが、相手の悪口などは言わずに快く子どもの話を受け止めて聞いてあげてほしいと思います。
夫婦間はいろいろあったかもしれませんが、子どもの親として付き合っていかなくてはならない相手です。負の感情を手放して、少しずつ受け入れていきましょう。
また、面会交流をする側の親は、子どもの現在の生活の様子を根ほり葉ほり聞くのはやめましょう。
質問する側ではなく聞く側に回って、子どものおしゃべりに耳を傾けましょう。
支援を通して面会交流が上手くいかなくなるケース
子どもも成長とともに自分の意見を持つようになります。
思春期の頃からです。
「親が決めた面会の予定になぜ従わなきゃいけないの?」
そんなことを言いだす子もいました。
子どもには子どもの予定があります。
習い事を休みたくない
友達と遊ぶ約束がある
疲れていて出かけたくない
そんな子どもの都合も聞かずに、決められた面会交流を「なにがなんでも」と強引に押し付けると、子ども自身が「会いたくない」と言い出したことがありました。
会いたいときに会えるのが理想的ですが、それができないので決められた時に必ず会うルールが大事なのも良くわかりますが、お子さんの成長とともに考えてほしいことでもあります。
お子さんの気持ちがとっても大事だということを…