おやこ交流を支える「私たちサポーターの役割」――連絡調整の工夫からはじまる支援

親子交流(面会交流)の支援というと、離れて暮らす親御さんとお子さんが会う当日に、支援者がそばで何もしないで見守っている姿を思い浮かべる方が多いかもしれません。

けれど実は、その当日を迎えるまでの何十通ものメールや連絡のやり取りの中にこそ、数え切れないほどのドラマが詰まっています。

いつ、どこで会うのか。 雨が降ったらどうするのか。 待ち合わせ場所はどこならお互いに安心できるか。 プレゼントは渡してもよいのか――。

一見すると、単なる事務連絡のように見えるかもしれません(笑)。

けれど、このやり取りの仕方ひとつ、ことばの選び方ひとつで、父母の葛藤が再燃してしまうこともあれば、すっと心が落ち着くこともあるのです。

「連絡調整者は、単なる伝言係ではありません」

利用者の方から乱暴な文章で、相手方に伝えて欲しいと送られる来ることがあります。

片方の親御さんから届いたメールをそのままコピーして、もう片方へ転送するだけなら、わざわざ私たちが間に入る意味はありませんよね。

届いたメッセージの中には、「事実」だけでなく、その方の「強い感情」や「不安」「解釈」、そして過去の痛みが混ざり合っています。 だからこそ私たちは、その言葉をそのままぶつけるのではなく、一度大切にお預かりして気持ちを整理し、相手が受け取れる言葉へと丁寧に置き換えて届けるのです。

実は昔、失敗談があります。
お父様(離別親)からのメッセージが特に問題にならないような文章だったので、コピペでお伝えしたところ「元夫の言い回しだとわかるような文章をそのまま送らないで欲しい」と怒られたことがあります。

また、離婚成立前の高葛藤なお母様にお父様の呼び名を「パパ」とサポーターがお伝えしたところそれに嫌悪感を感じるのでやめて欲しいと言われました。この時には「相手方」という呼び名が正解だったようです。

同じ人物を指す言葉であっても、 「お母さん」「元妻」「相手方」「彼女」……。

呼び方ひとつで、受け取る側の感じ方はまるで違います。

意味としては同じでも、たったひとつの呼び方で過去のつらい記憶や怒りが呼び起こされてしまうことがあります。

だからこそ私たちは、内容の正確さだけでなく、その方が普段使っている言葉や心理状態にまで細やかに気を配っています。

 

相手を怒らせないためではなく、「子どもの安心」のために

時に、親御さんの強い怒りや要求がそのまま伝わってきて、支援者の側にも「この要望を受け入れないと、もっと怒らせてしまうかもしれない……」という怖さが生まれる瞬間もあります。

そんなときほど、私たちは一度立ち止まります。

「私たちは、何のために今、これを判断しているんだっけ?」

相手を怒らせないためのご機嫌取りになっていないか。
この判断は、「お子さんが安心して笑顔で過ごすため」になっているか。
親同士の葛藤を、これ以上子どものいる場所へ持ち込ませないための対応ができているか。

迷ったり怖さを感じたりしたとき、支援者が一人で抱え込んで判断することは絶対にしません。
チーム全体で立ち止まり、原点に立ち返って相談し合える体制を大切にしています。

プロとして学び続けるサポーターと、心理の専門家「スーパーバイザー」

おやこリンクサービスの支援体制の大きな強みは、こうした繊細な現場を支える「確かな専門性」です。

当日の付き添いを行うサポーターは、日頃から

  • 「離婚家庭の子どもの気持ち」(子どもの心に負担をかけない関わり)

  • 「選択理論心理学」(相手を変えようとせず、良い関係を築く技術)

  • 「アンガーマネジメント」 などを定期的に学び、支援者としてのあり方を磨き続けています。

そして、事前のやり取りや親御さん同士の繊細な調整を一手に担うのが、「スーパーバイザー(SV)」と呼ばれる存在です。 スーパーバイザーには心理学を本格的に学んだカウンセラーを配置しています。

親御さんが抱える怒りや不安の奥にある「本音」を心理のプロがしっかりと受け止め、丁寧に交通整理をしてから当日を迎えるからこそ、当日の現場はお子さんにとって安心安全な空間になるのです。

ひとりで背負い込まず、私たちを頼ってください

親子の交流は、親御さんだけで無理に頑張りすぎる必要はありません。

連絡の文面ひとつに胃が痛くなるような思いをしているなら、どうかその重い荷物を私たちに預けてください。 心理の視点を持ったスーパーバイザーと、温かく寄り添うサポーターがチームとなり、お子さんの「会いたい」という純粋な気持ちと、ご家族の穏やかな未来を全力で支えてまいります。